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傷病手当金

傷病手当金と失業保険は両方もらえる?
順番と受給期間延長のやり方

・ 読む時間 約5

30秒でわかる結論

  • 同時には受け取れない。傷病手当金は「働けない人」、失業保険は「働ける人」への給付で、前提が正反対だから
  • ただし「働けない間は傷病手当金 → 回復したら失業保険」と時系列で切り替えるのは、制度が正式に想定している正規の方法
  • 切り替えのカギは、失業保険の受給期間延長(=もらう権利をとっておく手続き)の申請(働けない状態が30日続いたら申請できる)。これを忘れると失業保険をもらう権利が消えることがある
  • 「働けない」と申告して傷病手当金を受けながら「働ける」と申告して失業手当も受けると不正受給(最大3倍返しのペナルティ)
マンガでわかるAさん(28歳)の場合 — 休職から失業保険までの流れ
  1. オフィスのデスクで体調を崩してつらそうにしているAさんもう限界かも…

    体調を崩して仕事がつらいAさん。まず病院に行くことにしました。

  2. 病院の診察室で医師と話すAさん休んでもお金がもらえる…?

    医師から「働けない状態」と診断。会社を休んでいる間は傷病手当金(給料の約3分の2)がもらえると知ります。

  3. 自宅で毛布にくるまって休むAさん。テーブルに書類

    休職して療養に専念。傷病手当金を受け取りながら休みます。

  4. 会社に退職届を渡すAさん条件を満たせば退職後も続くんだ

    回復に時間がかかりそうなので退職を決断。条件を満たせば、退職後も傷病手当金は続けてもらえます(退職日に出勤しないことが大事)。

  5. ハローワークの窓口で書類を出すAさん「延長」を申請しておこう

    まだ働けないので、ハローワークで失業保険の受給期間延長を申請。「もらう権利」を最長3年とっておけます。これを忘れると失業保険がもらえなくなることも

  6. 回復して外を歩くAさん。晴れた空そろそろ働けそう!

    回復したら延長を解除して、今度は失業保険を受けながら仕事を探します。これが「連続受給」の正しい流れです。

お金の流れ傷病手当金 → 失業保険と、順番に受け取る流れの目安です。
  1. 休職中(在職中)傷病手当金を受ける退職前に受給を始めておくのが大事。¥ 給料の約2/3
  2. 退職日継続給付で傷病手当金がつづく条件を満たせば辞めた後も受け取れます。
  3. 退職30日後〜失業保険の受給期間延長を申請もらう権利をとっておく手続き。最長3年。
  4. 回復後失業保険に切り替え延長を解除して仕事探しへ。¥ 給料の約50〜80%

※傷病手当金は通算1年6ヶ月まで。重ならないように順番に受け取るのがポイントです。

なぜ同時受給できないのか

2つの給付は、もらうための前提が正反対だからです。

  • 傷病手当金(健康保険): 病気やケガで労務不能(=働けない状態)であることが条件
  • 基本手当=失業保険(雇用保険):働ける状態で、働く気持ちがあり、仕事を探していることが条件

同じ期間に「働けない」と「働ける」の両方を申告することはできない、ということです。逆に言えば、期間が重ならなければ両方の制度を使えます。 これが「連続受給」の正体で、裏ワザではなく制度の正しい使い方です。

正規の切り替え手順(時系列)

うつ病などで休職→退職するケースの標準的な流れです。

  1. 在職中

    傷病手当金の受給を開始(または受けられる状態にしておく)
  2. 退職

    継続給付の3条件(被保険者期間(=健康保険に入っていた期間)が1年以上・退職日に労務不能・退職日に出勤しない)を満たせば、退職後も傷病手当金を続けて受け取れます
  3. 退職後、働けない状態が30日続いたら

    ハローワークで失業保険の受給期間延長を申請(最長3年延長できます)
  4. 療養に専念

    傷病手当金は支給開始から通算1年6ヶ月まで
  5. 回復し、医師が就労可能(=働ける)と判断

    傷病手当金は終了
  6. ハローワークで延長を解除し、求職申込

    働ける状態になったので、ここから失業保険の手続き
  7. 待期(=もらう前に必ず待つ7日間)を経て基本手当を受給

    給付制限(=自己都合で辞めたときの待ち時間)があるかどうかは、離職理由(=辞めた理由)によって違います。窓口で確認してください

最重要ポイント: 受給期間延長を忘れない

失業保険をもらえる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。 療養で1年を過ぎてしまうと、雇用保険に長く入っていた人でも、もらえなくなることがあります。

これを防ぐのが受給期間延長の制度です。 病気やケガで引き続き30日以上働けない場合に申請できます。働けない期間の分(最長3年)、受給期間を延ばせます。

  • 申請できるようになる時期: 働けない状態が30日過ぎた日の翌日から
  • 期限: 延長後の受給期間の最後の日まで申請できるとされています。ただし、申請が遅れると、所定給付日数(=もらえると決められた日数)の全部を受け取れなくなるおそれがあります。早めの申請が原則です

詳しい要件・必要書類は受給期間延長の解説記事にまとめています。受け取れる金額のめやすは失業手当の計算方法をご覧ください。

これは不正受給になります(重要な注意)

次のケースはどれも不正受給(=うその申告でお金を受け取ること)にあたり得ます。

  • 実際は働ける状態なのに「労務不能」と偽って傷病手当金を受け続ける
  • 実際は働けない状態なのに「働ける・求職中」と偽って失業手当を受ける
  • 同じ期間について両方を受け取る
注意: 雇用保険の不正受給が発覚した場合、以後の支給停止に加えて、不正に受けた金額の返還命令と、最大でその2倍の金額の納付命令(合計で最大3倍、いわゆる「3倍返し」)の対象となり、悪質な場合は刑事告発もあり得ます。 健康保険側の不正受給も返還等の対象です。

また、「誰でも数百万円もらえる」といった勧誘をする有料の「給付金サポート」業者も見られます。 しかし、もらえるかどうかは、あくまで本人の病状と条件次第です。うその申告を勧める業者に頼んだ場合でも、ペナルティを負うのは申請者本人です。 迷ったら、健康保険・ハローワーク・主治医という無料の公式窓口に確認してください。

切り替えタイミングの管理が難しい人へ

「延長申請はいつからいつまで?」「傷病手当金の残り期間は?」という日付の管理が、 この連続受給でいちばん難しいところです。当サイトでは、退職日と療養の状況を入れると 延長申請のタイミングと切り替え時期をタイムライン表示するシミュレーター(公開予定)を開発中です。

失業手当シミュレーター

退職日と月給を入れると、もらえる金額の目安と受給スケジュールを時系列で確認できます。

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よくある質問

傷病手当金と失業保険は同時にもらえますか?
同時には受け取れません。傷病手当金は病気やケガで労務不能(働けない)であることが要件、失業保険(基本手当)は働ける状態で働く意思があり求職活動をしていることが要件で、前提が正反対だからです。ただし、期間が重ならなければ「働けない間は傷病手当金→回復したら失業保険」と時系列で切り替えて両方の制度を使えます。これは制度が正式に想定している正規の方法です。
切り替えのために必要な手続きは何ですか?
失業保険の受給期間延長の申請です。失業保険が受給できる期間は原則として離職日の翌日から1年間のため、退職後に働けない状態が30日続いたら、ハローワークで受給期間延長を申請します(最長3年延長できます)。これを忘れると失業保険の権利が消滅し得ます。回復して医師が就労可能と判断したら、延長を解除して求職申込を行います。
同じ期間に両方を受け取るとどうなりますか?
不正受給にあたり得ます。雇用保険の不正受給が発覚した場合、以後の支給停止に加えて、不正に受けた金額の返還命令と最大でその2倍の金額の納付命令(合計で最大3倍、いわゆる「3倍返し」)の対象となり、悪質な場合は刑事告発もあり得ます。健康保険側の不正受給も返還等の対象です。

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出典(公的機関)

※ 本記事の内容は一般的な制度の解説であり、個別の受給可否・支給金額を保証するものではありません。実際の判断は加入する健康保険・ハローワークにご確認ください。

※ 本記事は一般的な制度の解説であり、個別の受給可否を保証するものではありません。 「労務不能かどうか」「失業状態かどうか」の最終判断は、医師・加入する健康保険・ハローワークが行います。 手続きの前に必ずそれぞれの窓口にご確認ください。