失業手当(基本手当)はいくらもらえる?
計算方法と受給スケジュールを退職日から逆算
公開日 ・ 最終更新日 ・ 読む時間 約6分
執筆: やめどきナビ編集部

30秒でわかる結論
- 金額のめやすは賃金日額(=退職前6ヶ月の給料の合計÷180)× 給付率(おおむね50〜80%)で出せる。月給20万・25万・30万円の早見表は下記へ
- 日額には年齢ごとの上限がある(例: 30〜44歳は8,270円。2026年8月1日改定)
- 受給できる総額の上限のめやすは日額×所定給付日数(90〜330日)。週20時間以上働くパート・アルバイトも要件を満たせば同じ計算式で対象になり得る
- 自己都合で辞めたときの給付制限(=もらう前の待ち時間)は、2025年4月から原則1ヶ月に短縮。初回振込は申請から約1ヶ月半〜2ヶ月がめやす
失業手当の計算は3ステップ
雇用保険の「基本手当」(いわゆる失業手当・失業保険)は、次の順で決まります。
賃金日額を出す
退職前6ヶ月の給料の合計(残業代・通勤手当は含む。ボーナスは除く)÷ 180給付率を掛ける
おおむね50〜80%(60〜64歳は45〜80%)。給料が低い人ほど高い率になる仕組みです年齢別の上限・下限を当てはめる
上限を超えた分はもらえません
基本手当日額の上限額(2026年8月1日改定)
| 離職時の年齢 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|
| 29歳以下 | 7,450円 |
| 30〜44歳 | 8,270円 |
| 45〜59歳 | 9,110円 |
| 60〜64歳 | 7,830円 |
下限額は全年齢共通で2,562円です。
計算例: 35歳・月給30万円・自己都合退職の場合
退職前6ヶ月の賃金合計が180万円(月30万円×6)の場合、賃金日額は 1,800,000円 ÷ 180 = 10,000円
給付率は賃金日額の水準に応じて自動的に決まる仕組みで、この例(30〜44歳)では約63.1%。基本手当日額は約6,307円(35歳の上限8,270円の範囲内)が目安です
給与明細・離職票から賃金日額を出す手順
雇用保険法17条1項の「賃金」は離職前6ヶ月に支払われた賃金の総額で、臨時の賃金と3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与)は除かれます。
直近6回分の明細を賃金締切日の期間で並べる
受給資格を見る「被保険者期間」は、離職日から1か月ずつ区切って賃金支払基礎日数11日以上(または80時間以上)の月を1か月と数えます。一方、賃金日額は原則として離職前6か月に支払われた賃金総額÷180で、対象となる月の区切り方(賃金締切日ごとの区切りや退職日までの端数期間の扱い)は離職票の記載に沿ってハローワークが個別に処理します。端数期間の賃金を自分で機械的に足したり除いたりせず、離職票-2の「賃金額」欄と給与明細を照合してください「支給」欄の合計から賞与・祝金・退職金を外す
基本給・残業手当・通勤手当・住宅手当など毎月の手当は含めます(控除前の額)6ヶ月分を180で割り、離職票-2の「賃金額」欄と突き合わせる
A欄=月給、B欄=日給・時給分。差があれば会社かハローワークに確認します(離職票の記事)
計算過程: 35歳・基本給26万+残業2.5万+通勤1万+住宅1.5万円
① 対象賃金(月) = 260,000 + 25,000 + 10,000 + 15,000 = 310,000円(賞与は除外)
② 賃金日額 = 310,000 × 6 ÷ 180 = 10,333.33円 → 1円未満切り捨てで 10,333円
③ 基本手当日額 = 0.8 × 10,333 − 0.3 × {(10,333 − 5,480) ÷ 8,010} × 10,333= 6,388.27…円 → 6,388円(実効給付率 61.8%)
端数は厚生労働省の計算例(賃金日額6,000円→4,683円)と同じ1円未満切り捨て。賞与を含めて計算すると賃金日額12,000円となり過大です。
月給20万・25万・30万円の早見表
給付率は賃金日額の水準に応じてハローワークが算定式で自動的に決めるため、給料が低い人ほど高い率になります。 次の表は、当サイトの失業手当シミュレーターと同じ計算エンジン(2026年8月1日改定の算定式)を使って、30〜44歳・自己都合退職を例に算出したものです。 他の年齢区分は下記の失業手当シミュレーターで計算できます。
| 月給 | 賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 | 90日分上限 |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 6,666円 | 75.5% | 5,036円 | 約45.3万円 |
| 25万円 | 8,333円 | 69.3% | 5,775円 | 約52万円 |
| 30万円 | 10,000円 | 63.1% | 6,307円 | 約56.8万円 |
(30〜44歳・自己都合退職〈被保険者期間1年以上10年未満〉の例。給付率・日額は賃金日額と年齢区分で決まり、被保険者期間で変わるのは所定給付日数です(10年以上は120日以上))
(「90日分上限」は日額×90日で機械的に算出した受給できる上限のめやすです。実際は認定日ごとの失業認定・就労や収入の状況・受給期間〈原則離職翌日から1年〉などにより、全日数分を受給できない場合があります)
年齢区分別の上限額と給付率が変わる境目
給付率の枠組みは賃金日額で決まりますが、60〜64歳は逓減式・最低給付率・境目の額が59歳以下と異なり、上限額も離職時の年齢区分で変わります。2026年8月1日改定の境目は、賃金日額5,480円未満(月給換算 約16万円未満)が80%、13,490円(約40万円)まで50%へ逓減、それを超えると50%。 60〜64歳は逓減の上端が12,120円で最低率45%です(雇用保険法16条2項)。
| 離職時の年齢 | 賃金日額の上限(月給換算) | 基本手当日額の上限 |
|---|---|---|
| 29歳以下 | 14,900円(約45万円) | 7,450円(14,900円×0.5) |
| 30〜44歳 | 16,540円(約50万円) | 8,270円(16,540円×0.5) |
| 45〜59歳 | 18,220円(約55万円) | 9,110円(18,220円×0.5) |
| 60〜64歳 | 17,400円(約52万円) | 7,830円(17,400円×0.45) |
同じ月給30万円(賃金日額10,000円)でも59歳以下は日額6,307円、60〜64歳は5,348円。 月給50万円(賃金日額16,666円)なら45〜59歳は8,333円、35歳は上限8,270円で止まります。 上限・下限は雇用保険法18条により毎年8月1日に自動変更されます(厚生労働省 令和8年7月31日公表、2026年9月6日確認)。
何日分もらえる?(所定給付日数)
自己都合退職(=自分の意思で辞めた「一般の離職者」)の場合、もらえる日数は被保険者期間(=雇用保険に入っていた期間)で決まります。
| 被保険者期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
先ほどの例(日額約6,307円・加入8年)なら、90日分で上限約56.8万円が受給できる上限のめやすです。 認定日ごとの失業認定・就労や収入の状況・受給期間(原則離職翌日から1年)などにより、全日数分を受給できない場合があります。 倒産や解雇など会社都合で辞めた人(特定受給資格者)は、年齢と加入期間によって90〜330日と手厚くなります。
パート・アルバイトでも失業保険はもらえる?
次の3つの要件を満たせば、パート・アルバイトも正社員と同じ計算式(賃金日額×給付率)で基本手当の対象になり得ます。 雇用形態が違うだけで自動的にもらえなくなるわけではありませんが、「加入していれば必ずもらえる」わけでもありません。
雇用保険に加入していること
加入要件は1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用見込みがあること。 雇用形態にかかわらず、この要件を満たし、かつ昼間学生や一部の季節的雇用などの 適用除外に該当しなければ、会社に加入手続きの義務があります(適用除外の詳細はハローワークで確認できます)被保険者期間の要件を満たすこと
自己都合退職は離職前2年間に通算12ヶ月以上、 倒産・解雇など会社都合(特定受給資格者)や一部の特定理由離職者は離職前1年間に通算6ヶ月以上の加入が必要です「失業の状態」にあり、求職の申込みをすること
就職する意思と能力があり、積極的に求職活動をしているのに職業に就けない状態(=失業の状態)であることに加え、ハローワークで求職の申込みをすることが受給の前提です。 この要件は正社員・パートを問わず全員に共通します
受給スケジュールを退職日から逆算
自己都合退職の場合の標準的な流れです。
退職日
会社が離職手続きを開始離職票が届く
退職から約10日〜2週間が目安ハローワークで求職申込+受給資格決定(=もらう資格が決まること。この日が申請日)
待期7日間(=もらう前に必ず待つ7日間)
全員が対象。この間はお金は出ません給付制限 原則1ヶ月
2025年4月1日以降に辞めた人から短くなりました初回の失業認定日(=失業中だとハローワークが確認する日)
以降は原則4週間(28日)ごと初回振込
申請からおおむね1ヶ月半〜2ヶ月後が目安 (認定日から振込までの日数はハローワークにより異なります)
会社都合の場合は給付制限がありません。そのため、申請から約1ヶ月で初回振込となるのが一般的です。
2025年4月改正の3つのポイント
正当な理由のない自己都合離職の給付制限が2ヶ月→原則1ヶ月に短縮
ただし過去5年間に、正当な理由のない自己都合離職で受給資格決定を今回を含めて3回以上受けた場合は3ヶ月
詳しい数え方は自己都合・会社都合の違いの記事で解説しています教育訓練等の受講で給付制限が解除
辞める前1年以内、または辞めた後に、厚生労働省の定める教育訓練などを受けた場合が対象です。 給付制限がなくなり、待期7日が終わった後から受け取れます
もっとくわしく(5年3回ルールの数え方)
数えるのは、ハローワークで失業手当の受給手続き(受給資格決定)をした離職です。 受給手続きをしていない離職は数えないため、単に転職を繰り返しただけでは対象になりません。
「給料の◯割」「退職金で減る」は本当?
誤解1「失業保険は給料の6割(8割)もらえる」— 率は50%〜80%で、給料が高いほど下がります。80%は賃金日額5,480円未満の人だけで、 月給30万円なら約63%、40万円超は50%に近づき、上限額で頭打ちです。「給料」は手取りではなく賞与を除く総支給額です(雇用保険法16条。2026年9月6日確認)。
誤解2「退職金をもらうと減る・もらえない」— 退職金は賃金日額に含まれず、基本手当を減らす規定もありません。同法17条1項の対象は離職前6ヶ月の賃金で、退職金・賞与のような臨時または3ヶ月超ごとの支払いは外れます(減額があるのは受給中のアルバイト収入〈同法19条〉など)。
病気で退職した人は順番に注意
うつ病などの病気で、すぐに働けない場合は順番に注意してください。失業手当は「働ける状態」であることがもらう前提だからです。まず先に受給期間延長(=もらう権利をとっておく手続き)の申請を検討するのが基本です。在職中に傷病手当金(=病気やケガで休む間に健康保険から出るお金)を受けていた人は、傷病手当金の継続給付と失業手当への切り替えの順番もあわせて確認してください。
当サイトの失業手当シミュレーターを使うと、退職日と月給を入れるだけで、金額の目安と待期・給付制限・初回振込のめやすをタイムラインで確認できます。
よくある質問
失業保険(失業手当)はいくらもらえますか?
1日あたりの金額(基本手当日額)は、賃金日額(離職前6ヶ月の賃金合計÷180。残業代・通勤手当込み、賞与は除く)に給付率(おおむね50〜80%、60〜64歳は45〜80%。給料が低い人ほど高い率)を掛けて算出します。例えば月給30万円・35歳(30〜44歳)なら賃金日額10,000円×給付率約63.1%で日額約6,307円が目安です(本文の早見表は同じ計算式で月給20万・25万・30万円を試算しています)。日額には年齢別の上限(例: 30〜44歳は8,270円。2026年8月1日改定)と全年齢共通の下限2,562円があります。受給できる総額の上限のめやすはこの日額に所定給付日数(90〜330日)を掛けた金額ですが、就労・収入の状況などにより全日数分を受給できない場合があります。正確な金額・日数の決定はハローワークが行います。
パート・アルバイトでも失業保険はもらえますか?
雇用形態にかかわらず、次の要件を満たせば正社員と同じ基本手当の計算方法(賃金日額×給付率)で対象になり得ます。①雇用保険に加入していること(加入要件は「1週間の所定労働時間が20時間以上」かつ「31日以上の雇用見込みがあること」。ただし昼間学生や一部の季節的雇用など、雇用保険の適用除外に該当する場合は加入対象外です)。②離職前の被保険者期間の要件(自己都合退職は原則2年間で通算12ヶ月以上、会社都合・特定理由離職者は原則1年間で通算6ヶ月以上)を満たすこと。③就職する意思と能力があり求職活動をしているのに職業に就けない「失業の状態」にあり、ハローワークで求職の申込みをすること。加入していれば自動的にもらえるわけではなく、これらすべてを満たす必要があります。個別の判定はハローワークが行います。
自己都合退職の場合、失業手当はいつから振り込まれますか?
ハローワークでの申請(受給資格決定)後、待期7日間と給付制限(2025年4月1日以降の離職から原則1ヶ月)を経て、初回振込は申請からおおむね1ヶ月半〜2ヶ月後が目安です。会社都合の場合は給付制限がないため、申請から約1ヶ月で初回振込となるのが一般的です。
給付制限が1ヶ月にならない場合はありますか?
過去5年間に、正当な理由のない自己都合離職による受給資格決定(ハローワークでの失業手当の受給手続き)を今回を含めて3回以上受けた場合は、給付制限が3ヶ月になります。数えるのは受給手続きをした離職であり、単に転職を繰り返しただけでは対象になりません。一方、離職日前1年以内または離職後に厚生労働省の定める教育訓練等を受講した場合は給付制限が解除され、待期7日満了後から受給可能です。
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出典(公的機関)
- 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」(令和8年8月1日改定)(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: 厚生労働省・確認日: 2026-08-11
- 厚生労働省 基本手当日額等の変更額一覧(PDF)(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: 厚生労働省・確認日: 2026-08-11
- 厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」(給付率スライド式の一次資料。当サイトのシミュレーター〈lib/rates.ts〉が採用する算定式と同一)(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: 厚生労働省・確認日: 2026-09-06
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: 厚生労働省(ハローワーク)・確認日: 2026-08-11
- ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: 厚生労働省(ハローワーク)・確認日: 2026-08-11
- 厚生労働省「自己都合離職者の給付制限の見直し(令和7年4月施行)」(リーフレット掲載。給付制限3ヶ月となる「5年間で3回以上の受給資格決定」の基準を含む)(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: 厚生労働省・確認日: 2026-08-23
- 厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き」第4章 被保険者について(雇用保険の適用基準: 週所定労働時間20時間以上・31日以上の雇用見込み)(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: 厚生労働省・確認日: 2026-09-06
- e-Gov法令検索「雇用保険法」(第4条第3項 失業の定義、第16条 基本手当の日額、第17条 賃金日額、第20条 受給期間)(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: デジタル庁(e-Gov)・確認日: 2026-09-06
※ 本記事の内容は一般的な制度の解説であり、個別の受給可否・支給金額を保証するものではありません。実際の判断は加入する健康保険・ハローワークにご確認ください。
※ 金額・日数はすべて概算です。実際の判断・決定は、住所地を管轄するハローワークにご確認ください。